ゼロから始めるワガママ英語_前置詞prep.の話
気になるブログ-英語と日本語の違い
英語のpreposition を日本語では前置詞と呼びます。
しかし、実はpreposition に対応する言葉は日本語には存在しません。
ではpreposition はどのような仕事をしているのでしょうか?
皆さんはpreview をご存じでしょうか?
番組の次回予告とか試写とか次のページに移動してね。とかの意味でプレビューはすでにカタカナ語になっています。
そこから類推して私は「プレポジション」を次に絵を画く場所の事前予告ではないかと考えています。
不定冠詞の時にも書きましたが英語人って自分の周りの世界を認識するのに
look で見たい方向に目線を向けてからsee でその方向にあるものを認識しているのです。
彼らは広い視野を持っていて接近してくる天敵からいち早く逃げる目ではなく、ターゲットをロックオンして獲物を襲うのに有利な目を持っているのではないかと考えます。
もしも彼らにはネコ科動物のように周りが見えていないとすると情報発信者は情報受信者(又は観測者)が今、どこに視点を当てているのかを考えて場合によっては彼らの視線を誘導しなければなりません。
ここでロケットの打ち上げシーンを見てみましょう。
発射台の上にあるロケットが 3, 2, 1, 0 lift off ! で打ち上がります。
これをWe lift a rocket off the earth.
『私たちは持ち上げる。とあるロケットを、切り離したからね、地球から』として、ここで観測者の目線の動きを考えてみましょう。
We lift 「私たちは持ち上げる」で最初に主語のWeに当たっていた目線が【何を持ち上げるの?】と言いながら主語の私たちからロケットに移動します。
この時のlift のように観測者の目線を主語から別の場所に乗り換えさせる動詞をtransitive verb(トランジットさせる動詞)とします。
そのままロケットに貼り付けた目線が上に上がった後、
off で切り離したよ。で【何から切り離したの?】となって目線が今度は下に誘導されて、その先に切り離された地球が目に入る。
このように英語ではpreposition を使って観測者の目線を誘導し、その先に絵を画く時に使う言葉があります。
これを前置詞「次に絵を画く場所の事前予告」と言いましょう。
つまり前置詞の仕事は場所の事前予告によって情報発信者が観測者の目線を思う場所に誘導する言葉です。
実は日本語でも「リフト・オフ」を使います。
新世紀エヴァンゲリオンでシンジ君が初めてエヴァ初号機に乗った時の話です。
地下の格納庫にあったエヴァが「発進」でリフトを使って地上まで引き上げられて、その後、最終安全装置が解除された後、
「エヴァ初号機リフト・オフ」でリフトから切り離されて横に1歩進むシーンがあります。
この時、日本語のリフト・オフは名詞のリフトから切り離しましたよ。
で、リフト・オフだけで意味が独立しています。
そしてオフに目線誘導の意味は有りません。
しかし、英語のlift off はlift が動詞で目的語のa rocket が省略されていて、off でロケットから離れた場所に目線誘導してその先に地球を画く。
このようにoff は後ろに続く名詞とセットになっていてlift off で1つではなく、off the earth で1固まりになっていると考えてください。
off はthe earthの前置きであってlift の後置詞ではありません。
しかし、英語の学習をしているとtake off やput on のように熟語や句動詞と言って動詞と前置詞をセットにした言葉をよく見かけます。
でも、混乱を避けるために、ここでは前置詞と後ろの名詞で1セットになる事を確認しておきましょう。
英語の文をビジュアル化するのに前置詞の目線誘導は非常に大事です。
次回から前置詞の目線誘導に付いて書きたいと思います。