【ビジュアル英文解釈】倒置法が絡む文解釈
気になるブログ-英語と日本語の違い
The mother is happy. 『母は幸せです。』
S+be+C で第2文型の基本。ここからhappyを強調したい時などに、語順が変わる時がある。
Happy is the mother. 『幸せなのは母です。』?
のようになるが、「前置詞の付いていない名詞を主語とする。」
との考え方をするならば、上の文章はニュアンスが変わっているものの、happyを主語のように訳す必要は無い。
つまり、上の2つの文は訳が同じ『母は幸せです。』でも構わない。
One thing my father left to me is more valuable than a fortune.
『一つの物を私の父は私に残してくれたが、それは財産よりも貴重である。』
この訳はOne thing の後にmy father leftがコンマなしで続く。
どちらが主語か迷うが、このパターンは関係詞の省略。
to me is と来るので、One thing (my father left to me) is で、
my father leftがOne thing isの中に挟まれた形、 S(S+V)Vが見えてくる。
そこで、訳をmy fatherから始めて 『私の父が私に残してくれた一つのものは』とする。
又は、One thingを先行詞として目的語が前に出ているから『私の父は一つの物を』『私に残してくれたが、』でも構わない。
本書ではここでも日本語訳において語順を変えても意味が通れば良いじゃないか、型にはまった訳でなければならない理由は無いとしている。
それより少し脱線するが、この短文でfortuneの意味が『幸運』とか『運命』で考えると文全体の意味が分からなくなる。
『とある幸運よりも価値のある物を残してくれた』とすると、?意味不明。
実はコッチの方が私にとっては大きな問題。
学生時代に英単語を覚えていてfortuneは『幸運』や『運命』と覚える。
これで一つ単語を覚えたと思っても上記のような例文に出会うと意味が分からない。
実はfortuneには『財産』の意味もあるんですよ。
色々な英文解釈の本を読んでいても、このような場合、解説文には何の説明もなく『財産』と出てくる。
本書もそのようになっているが、例文を見ている限り、fortuneを『財産』としなければならない情報は短文内に見つからない。
おそらく元々、前後にもっと長い文があって、それらにある情報から、ここは『幸運』ではなくて『財産』とすべき何かがあったはず。
でも、そのような周辺情報は残念ながら多くの英文解釈の参考書では中々見られない。
そのあたりをカバーするために本書では工夫がされている。
短文が出てくる時、その短文が別ページで出てくる長文から抜粋している場合はその元の長文のあるページが例文に付いていて、元の長文を参照し易くなっている。
これでこの問題も少しは改善されるが、本書も残念ながら構成の都合上、100%ではない。
途中、脱線しましたが本文に戻ります。
上例の変形です。
One thing my father left to me and it is more valuable than a fortune.
『私の父は私に一つの物を残してくれた。そしてそれは財産よりも価値のある物だ。』
One thing my father left to meの後、等位接続詞andが付いてit is more valuable than a fortune.
と前後で文が分かれている。
そこで、上例と読み方が変わる。andの前だけを見て、
One thingとmy fatherのどちらが主語か?ここは人を主語としてみる。
「前置詞のない名詞が主語でなければ目的語とする。」このルールにより、One thingは目的語。
だから、My father left one thing to me. S+V+O+修飾語のOが前に出た形。
O+S+Vと、倒置になる。
日本語訳は倒置法だから、こうしなければならないルールは無い。
今日は倒置法からの英文解釈でした。
でも、今fortuneと言えば勝手に頭の中で流れるメロディー
♫come on come on come on come on baby 占ってよ
恋するfortune cookie 未来はそんな悪くないよ Hey Hey Hey
ここで絶対に財産クッキーにはならない。
運命や運勢と富や財産との言葉の意味は日本語でだと直接は結び付かない。
Why English people!『何でなんだ、英語人よ!』
でも、この問題を追いかけると、言葉の歴史を遡って、ついにはラテン語が~、ギリシャ語が~、となる。
やってられね~。
はたして、私に明るい未来が来るのでしょうか?
注:この記事は1987年発行の【ビジュアル英文解釈】伊藤和夫 著 駿台文庫
を見ながら私が個人的趣味で勝手な解釈を書いているだけです。
記事の内容は 著者及び出版社とは一切関係がありませんので、ご了承下さい。
特に日本語訳等は、なるべく「左から絵を画くには」の視点で模索しているので、普通に英文和訳を考えるなら唾棄すべき状態になっています。
もし、この記事に目を止められる方がおられたとしても、そのつもりでお願いいたします。