【ビジュアル英文解釈】to不定詞内の過去の話
気になるブログ-英語と日本語の違い
時間の違いによって、絵を画く場所が変わる話、所謂、時制の一致の話です。
改めてみると、that節とto不定詞で違いがある。
まずは、
It seems that he is poor. 『彼は貧しそうに見える。』
Itで私が現在立っている現場空間全体を指定してから、その区間全体にseemsを貼り付ける。
ここで私がseemしているのではない。誰がseemしているのか分からない。誰かの思いが私の周りの空間全体に広がっている。
この時に私の支配空間の外側に私の支配できない誰か、第3者が支配する別空間が広がっていて、その空間全体にseemsが張り付いているのを私が最初に見ている。
そこで、その第3者が何を考えているのだろうと思いながら周りを見ていると、少し離れた場所にthatで囲まれた閉鎖空間(thatフォルダー)を見つける。
その閉鎖空間の中を覗くと『彼は貧しい』と最初に見えた思いの内容をそのフォルダー内で見つける。
次に、
It seems that he was poor. 『彼は貧しかったように見える。』
It seems thatと現場空間に広がっているのは上と同じ。でもthatフォルダーの中にスマホを見つけてその中で過去の話を再生している。
過去のある時点で、かつて彼は貧しかった時があった。そのように今考えている誰かの思いを私は見ている。
It seemed that he was poor. 『彼は貧しかったように見えた。』
この文は最初から私の周りに誰かさんの思いが広がっているのではなくて、誰かさんが過去にアップしたスマホの画面の中を現場空間で再生して見ている。
この時は seemed と was は同じ時間上にある。
しかし、誰かさんが考えている時と彼が貧しかった時間が同じ時間軸になくて、過去1より過去2が古い場合は
had been で過去2で起きた出来事を過去1まで保持する。
これが下の文、
It seemed that he had been poor. 『彼は貧しかったように見えた。』
これがto不定詞の場合は
He seems to be poor. 『彼は貧しそうに見える。』
現場空間で私はtoフォルダーの中に広がる別空間にいる彼を見ている。
そして、私が思う。『彼って貧しそうだなあ』と。
ここで時間軸上彼が貧しかった時期が、過去の話だと今私が思っている場合、
He seems to have been poor. 『彼は貧しかったように見える。』
toフォルダーの中の別空間ではto+動詞の原形で過去の話でもto wasには成れないので、 to have beenを使う。
別空間の中でさらに時間軸上の過去空間に位置する場合はこのようになる。
前文と違って、現場空間でスマホの画面内で動画再生する場合は
He seemed to be poor. 『彼は貧しそうに見えた。』
私は過去1の時間でそのように思った。彼って貧しそうだなあと。
He seemed to have been poor. 『彼は貧しかったように見えた。』
私は過去1の時間でそのように思った。過去2の時は彼って貧しそうだなあと。
本書では絵を画く場所についての言及は有りません。時間軸だけの話です。
でも私は時制の話が出てくる時は時間軸上で現場空間と位置が相違する位相空間を見ているのか、それとも、時間軸上は同じ位置でも空間的に別空間を見ているのかを考えてしまうので、本書とは内容が違っています。
to不定詞の中は「ワンステップで別空間、2ステップでそこから過去空間へ」行くように。
注:この記事は1987年発行の【ビジュアル英文解釈】伊藤和夫 著 駿台文庫
を見ながら私が個人的趣味で勝手な解釈を書いているだけです。
記事の内容は 著者及び出版社とは一切関係がありませんので、ご了承下さい。
特に日本語訳等は、なるべく「左から絵を画くには」の視点で模索しているので、普通に英文和訳を考えるなら唾棄すべき状態になっています。
もし、この記事に目を止められる方がおられたとしても、そのつもりでお願いいたします。