【ビジュアル英文解釈】後ろの形で主語が変わる
気になるブログ-英語と日本語の違い
~ing と To~ で始まる文 。 後ろの形で主語になったり、ならなかったり。
Barking dogs seldom bite. 『吠える犬はめったに咬まない。』
Barking は主語のdogs を単純に前から修飾しているだけの文で『吠えている犬』で、犬が主語。
Being honest at all times is not always easy. 『いつも正直である事は必ずしも容易ではない。』
Being は『存在していること』だが、この文を前から意味を拾っていくと
『存在している【どんなふうに?】正直者として【どのくらいの間?】四六時中ずっと【それは大変だね?】
そうなんです、いつも簡単ではないんです』のようになる。
この時、Being は主語。
次に文の前半は同じだが、
Being honest at all times, he was trusted by everybody. 『いつも正直だったので彼は皆に信用された。』
『存在している【どんなふうに?】正直者として【どのくらいの間?】四六時中ずっと【それは大変だね?】
そうなんです、でもだから、彼は皆に信用されたんです。』
この時は最初、Being が主語として読み始めるが、後ろにhe was が来た時点で主語を彼に乗り換える。
To master English is a difficult task. 『英語をマスターするのは難しい仕事である。』
まず目に入るTo master このマスターが名詞で『達人や主人』を意味するのか、動詞で『習得、マスターする』を意味するのか分からない。
toは後ろに名詞が来て前置詞にもなるし、動詞が付いてto不定詞にもなるから。
どちらか分からないまま、次のEnglish is S+V を見つける。
ここで、英語の達人だと語順がEnglish master になる事に注意。
『英語の達人になる事は』だと、『目指せ、イングリッシュマスター』To English master
To master Englishだと、『目指せ、マスター(習得)、英語を』主語は『英語をマスターする事は』となる。
ここでS+Vが見えると、To master English is『英語をマスターする事は、です』 が見える。
だから後ろのa difficult task『困難な仕事』をbe動詞 is を使って主語に貼り付けて終わり。
マスターもタスクも日本語化していて単語はそれほど難しくはない。
しかし、逆に日本語化しているからこそ、英語の単語が前から修飾するのか、後ろから修飾するのかをしっかりと把握していないと意味がつかめなくなる例。
最後にyou must work 『貴方は働かなければならない』とS+Vが後ろに付く形。
To master English, you must work hard.
『英語をマスターするのに貴方は勉強をしなければならない、一所懸命に』
To master English 『目指せ、マスター(習得)、英語を』までは前文と同じ。
しかし、この後コンマが付いて、独立した文節が続く。
だからTo master Englishは最初は主語かも知れないと思ってもここでは主語にならない。
『目指せ、習得、英語』の後に『(その為に)、あなたはしっかりと仕事をしなければならない』と考える。
後ろに出てくるあなたyouが主語。
文意からここでworkは勉強、hardは固いではなくて、激しく、一所懸命に等、どんな日本語が適当かを考える。
私はworkを勉強とする等、高校生の時にこの手の単語が持つ意味の広がりに苦労した。
英単語を幾ら覚えても長文になると覚えた意味と違った意味合いで単語が登場して来て、解説を読みながら途方に暮れた記憶がある。
本書はそのような単語の意味の違いに拘っていない。と言うより、その位は分かっているよね。との立場なのだろう。
本書はとにかくS+Vを見つけさせる。左から順番に主語になる可能性のある単語を見つけて、後ろに確実な主語があればそれに乗り換えてと言った方法を取る。
同じBeingから始まっても同じTo masterから始まっても場合によって、それが主語になったり、ならなかったりするから。
著者は主語を探すのに「予想と確認」又は「予想と確認と訂正」を続けろと言う。
注:この記事は1987年発行の【ビジュアル英文解釈】伊藤和夫 著 駿台文庫
を見ながら私が個人的趣味で勝手な解釈を書いているだけです。
記事の内容は 著者及び出版社とは一切関係がありませんので、ご了承下さい。
特に日本語訳等は、なるべく「左から絵を画くには」の視点で模索しているので、普通に英文和訳を考えるなら唾棄すべき状態になっています。
もし、この記事に目を止められる方がおられたとしても、そのつもりでお願いいたします。