【ビジュアル英文解釈】前置詞的副詞って?
気になるブログ-英語と日本語の違い
初めて聞いた、前置詞と紛らわしい前置詞的副詞。
He put a hat on the head. 『彼は置いた、帽子を、頭の上に』
ところが、目的語が名詞の場合は目的語と前置詞が反転する場合がある。
上の例文でthe head が、当たり前だからこれを省略しようと思った局面で、省略すると
He put a hat on .『 彼は置いた、帽子を』になる。でも、コレだと、本来の前置詞の後に続くはずの名詞がなくて、座りが悪い。
そこで、本来、onの前にあった目的語が後ろに移動して He put on a hat . 『彼は帽子を置いた』となる時がある。
この時のonは on a hat 全体で副詞となるので、前置詞ではなくて副詞とする。
これは実に困った話で、
He sat on the bench. 『彼は座った、ベンチに』のような場合、このonは前置詞だが、形の上では前者と区別がつかない。
その他に別の例文。
副詞のup
they made up calendars to record the past. 『彼らは作った、カレンダーを、過去を記録するのに』
前置詞のup
They sailed up the river in a small boat. 『彼らは操船した、川を遡るのに、とある小さな舟で』
ただし、目的語が代名詞の場合は必ずput it on~で 後ろの前置詞と反転して put on it にはならない。
本書の説明はこれで終わる。
ここからは私の考え。
前置詞preposition は観測者の目線を別の場所に誘導する時に使う言葉。
He put a hat on the head.
『彼は装着した【何を装着したの?】とある帽子を【どこに?】今から絵を画くから帽子の中心ではなくて接触する端の方まで目線を移動させておいて【了解、移動させたよ】頭、登場【ア~、そう言う事ね。】』
He put a hat. 『彼は装着した【何を装着したの?】とある帽子を』
putを『置く、装着する』の意味で使う時は他動詞(観測者の目線を他の場所に移動させる動詞)なので、直接、後ろに目的語を付けられる。
だからHe put a hat. で終わっても構わない。
He put on a hat. で出てくると、アレっ、putって、自動詞だった?となる。
イヤ、putは他動詞でこのonは前置詞でなくて副詞です。何故なら……と前段の説明が始まる。
ちなみに、sitは自動詞でHe sat on the bench. 『彼は座った、ベンチに』の場合はsatは直接目的語を取れないから前置詞onは絶対に必要。
文法の最初で習う。でも日本語人は自動詞と他動詞の区別を元々持っていないので、そんなのはすぐ忘れる。
特に英会話の本等ではこのonを前置詞か副詞かを考えるのではなくてput onをワンセットにして句動詞として考えさせる方法があります。
会話の場合はその方が即応性があるのでしょうが、そうすると、動詞+前置詞、又は動詞+副詞の形を熟語として山ほど覚える必要が出てきて、それはそれで大変。
結局、何が何だか分からないまま、英語に対する苦手意識だけが残って、私の学生時代は終わってしまった。
あの頃の混乱の原因が今になってやっと分かったように思う。
注:この記事は1987年発行の【ビジュアル英文解釈】伊藤和夫 著 駿台文庫
を見ながら私が個人的趣味で勝手な解釈を書いているだけです。
記事の内容は 著者及び出版社とは一切関係がありませんので、ご了承下さい。
特に日本語訳等は、なるべく「左から絵を画くには」の視点で模索しているので、普通に英文和訳を考えるなら唾棄すべき状態になっています。
もし、この記事に目を止められる方がおられたとしても、そのつもりでお願いいたします。