病は気からの本当の意味

「病は気から」というから、気持ちさえしっかりしていれば、病気にならないとよく言われます。しかし、本来の気とは気持ちの意味ではありません。
人の身体は常に外気の変動に晒されています。外気は気温の要素と湿気の要素を持ちます。この気温と湿気が人にとって快適な状態にあれば良いのですが、しばしば暑すぎたり寒すぎたり湿潤が強かったり乾燥しすぎたりします。
これは人が快適に生きるのに邪魔な存在になるため、人を取り巻くこのような状態を暑邪、寒邪、湿邪、燥邪と呼び、さらに憎悪因子として火邪、風邪の2種類を足して合計6種類を外気(外部環境)の変化要素として捉えて外患6因と呼びます。
ただ、人にはこれらの影響を受けやすい人とそうでない人がいます。受けやすい人は外気(外邪)に対して内気(ないき)の弱い人です。この人たちは体内で発熱させる発生熱量が少なく、又、それを身体の隅々までスムーズに送られないために外気(外邪)に対する抵抗力弱いのです。

体内の熱移動、ここでは外気に対して内気(ないき)の移動と言いますが、この大部分は血液によって運ばれます。しかし、体内の熱は伝導によっても組織の間を移動できますし、皮膚表面上から輻射熱として外気に向かって放射もされます。
そこで、内気を便宜上2種類に分けます。血管を使って移動する内気を「営気」と呼びます。こちらは外邪から身を守る為の本部隊です。それに対して組織の間を移動して皮膚表面上に展開し最前線で外邪の侵入を阻む内気を衛気(えき)と呼びます。
ここで問題になるのは衛気の方で組織の間といっても、どこを通るのか何処から皮膚表面上に出て身体全体を覆うのか、はっきりと特定の構造的場所や組織を指定しづらい難しさがあります。
ですが、私たちの先輩は経験の積み上げによって、刺激すれば変化の出やすい場所を見つけ、影響を及ぼしやすいラインを見つけて前者を「経穴」、後者を「経絡」と呼び、そこを手掛かりにして人の持つ内気の調整を図り、外気の影響を受けにくい身体作り、つまり体内の気が病まない状態へ導く方法を見つけ出しました。
西洋医学のやり方だけでは、どうもパッとしないと思われる方は、一度当院へご連絡ください。